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理事長あいさつ


理事長・学長/早川 正幸

現代社会は変化の奔流の中にあります。グローバル化は産業構造の急速な変化を招き、デジタル技術の進歩は超スマート社会への移行を促しています。一方で、深刻な気候変動や食糧問題、さらには新興感染症によるリスクの拡大など、先行きが見通せない曖昧な状況が続いています。令和2年はまさに新型コロナウイルスに翻弄された一年となりました。

複雑に変動する社会、不確実性の社会に対応すべく、大学には絶え間ない改革が求められています。ただし、ここで重要なのは、単に時流に乗った、上辺だけの改革に気をとられるのではなく、地(知)の拠点大学として社会の変動を的確に分析したうえで学生の根源的な能力を育み、未来社会の構築をも先導できる大学に発展していくことです。

山梨県立大学は、平成17年の開学から15年を経て、本年度は論語でいう「志学」の年、すなわち大学として学問の確立を目指す年に入っています。「地域を愛し、地域を育て、地域をつなぐ」をスローガンに、未来を見据え、学問のさらなる探究と研究・教育力の向上による新たな価値の創造を目指して、たゆみない革新を進めていきます。

実践知を育み、地(知)の拠点となる大学

本学では、学生一人一人に向き合う、実践的な少人数教育を推進し、担任制・チューター制、少人数ゼミ、体験的学習、フィールドワーク、キャリア形成支援などを取り入れたきめ細やかな学術指導が展開されています。これにより、全国トップクラスの高い就職率と国家試験合格率(社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、看護師、保健師、助産師など)をあげており、実践知を備えた専門人材が育っています。令和2年には、本学が提案した教育プロジェクトが文部科学省の「大学による地方創生人材教育プログラム構築事業」に採択されました。大学、地方公共団体、企業等が協働し、地域に新たな価値を生み出すことができる高スキル人材を、学生と社会人との共学の場を通して育成する、新時代の実践的プログラムが全国に先駆けて始まっています。

山梨県立大学はこれまで、国の地方創生事業において大学COC(地(知)の拠点整備事業)、COC+、首都圏学生対流促進、そして今回の地方創生人材教育の4事業を展開してきています。全国すべての国公私立大学の中でこの4つのプロジェクトを獲得した大学は山梨県立大学のみです。このことは本学の地域創生人材育成力の卓越性を示すものであり、今後も地域貢献・地域振興の拠点としてさらなる発展を目指します。

新たな学びの場と価値の創造

本学は山梨大学との連携のもと、令和元年12月に一般社団法人「大学アライアンスやまなし」を設立、本年3月にはこの組織が文部科学省により全国初の「大学等連携推進法人」として認定されました。この推進法人は国公私立の垣根を越えて各大学の強みを生かしつつ、弱点分野を補強することで新たな知を創造し、地域社会のニーズに答える人材養成を図るのが狙いです。組織中心の大学からプログラム中心の大学への移行という観点から、日本の教育史上初の改革になります。双方の学生が履修し卒業単位として認定できる連携科目を開設し、本年度から授業が始まっています。医療を含む自然科学、数理データサイエンス、防災、さらにスポーツ・芸術系などの教養科目の履修が可能となり、自己の目標に応じ文理に拡がる多様で質の高い学びを修得することができます。今後は、特定分野の教職課程や大学院特別教育プログラムの共同運営などを目指していきます。

現代社会では、多元的な視野から的確に課題を抽出し、解決できる力が求められており、その能力を養う幅広い知識と深い教養を身につけることが必要です。学生生活の中で学び得る高い専門性と実践力、そして自らが導き出す発想力が現代社会を生き抜く上でより高い価値をもつことになるでしょう。

新型コロナウイルスによる感染症の災禍は、専門家でさえその終焉時期が見通せない状況にあります。しかし、これまで先人たちがいくつもの感染症と闘い、克服してきた歴史を忘れてはなりません。大きな試練は必ずや飛躍の原動力になります。一人一人がそれぞれの立場でこの状況に立ち向かいながら、新たな教育研究の場を創造していきたいと考えます。

理事長・学長/早川 正幸
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